嫌悪施設とは、地域や周囲から、その存在について嫌われる施設のことをいいます。
どのような施設が不快なものであるかについては、その地域性などに関係して一様ではないとされています。一般的に住宅地において嫌悪施設とは、風俗店などの品格を下げるような施設であったり、悪臭や騒音、大気汚染、土壌汚染、地盤沈下など、公害を引き起こしている施設のことをいいます。また住民にとって不安感や不快感、嫌悪感を与える施設とされている原子力関連施設、廃棄物処理場、下水処理場、火葬場、軍事基地、刑務所、ガスタンク、火薬類貯蔵施設なども含まれます。
都市計画に基づく用途地域によっては、これらの施設が住宅地に混在することがあります。
たとえば、高圧電線の下にある土地、高圧線下地とは6,600ボルトの高圧の電流が流れているため、高圧線下の土地には、建物の高さが規制されていたり、建物の建設が禁止されている場合があります。高圧線下は、その危険性の高さから厳しい安全基準が設けられ、高圧線下地は、地域や周囲から嫌われる存在で、住民にとっては不安感や不快感、嫌悪感を与える施設とされています。
嫌悪施設が存在すると、土地の価値を低下させてしまうために、不動産地価によくない影響を及ぼすものとされています。そこで、不動産取引においては、特に注意が払われる事項となっているようです。