ユーティリティとは、洗濯機、食品貯蔵設備、収納棚等の家事作業を行うための諸設備を設けた部屋のことをいいます。
ユーティリティは、家事室とも呼ばれ、また住宅内で炊事や洗濯、掃除など、家事をする際に人の動きについて検討することが重要とされています。これを表す線のことを家事動線といいます。
家事動線は、人が移動する時の動きを、線で表したもののことを動線といいますが、住宅内においては、生活動線と家事動線に分けることができます。生活動線は、毎日の生活上の一連の動きを表した線のことをいい、家事動線とは、家事を行うときの人の動きを追った動線のことをいいます。住宅の間取りを考える際は、家事を行う場所としてのキッチンやユーティリティなどを、家事動線で考えて効率化することができます。
作業のしやすさについて検討する方法の一つとしてワークトライアングルというものがあります。ワークトライアングルは、バランスよく配置されて、正三角形に近いほど、調理における作業効率がよいとするもので、三辺の総和が360センチ以上600センチ以内に納まるものを適切としています。
なお、作業のしやすさのワークトライアングルによる使いやすいキッチンレイアウトは、2列型とU字型を適切としています。工夫次第で、ワークトライアングルを検討することができる理想的なキッチン配置ができます。このワークトライアングルの考え方は、空間ゾーンを設定するための手法としても用いられることがあり、ゾーニング計画では、バランスのよい動線をつくるためのゾーン配置としてよく使われています。