鎧壁仕上げとは、土壁の仕上げ方法の一つのことをいいます。
壁の仕上げは、下向きに広がる板壁の南京下見張りのように鎧状になっています。板の断面は、傾斜が続く形状で、水切りが良いため、庇のない塀や雨量の多い高知地方の外壁で用いられている壁です。
土壁は、竹と貫(ぬき)を格子状に編み込んだ小舞を下地とし、地粗塗り、中塗り、上塗りと重ね塗ってつくられます。この最後に塗られる上塗り仕上げの工程において聚楽土を使うと、京都付近に産する土を用いて仕上げる壁聚楽壁となります。
上塗りに使う土には、ほかにも鉄粉などを混ぜた錆壁、紅壁などがあります。土壁は、茶室などで用いられ、いまでも和風建築でよく用いられる仕上げ方法です。土壁は、粘りを持つことから地震からの衝撃に対して損傷が少ないという特性をもっています。