L値とは、床衝撃音に対する遮音性能を表す単位のことをいいます。
上階の床で生じる音が下階でどの程度に聞こえるか、その騒音を遮ることができるか表す数値のことを遮音等級といいます。遮音等級では、建物の遮音性能を表す指標で、音には空気の振動で伝わる空気音と固体を振動させ伝わる固体音があります。空気音をD値(sound pressure level Difference)、また固体音はL値(floor impact sound Level)で表わします。
最も騒音のトラブルのもとになるものは、固体音です。固体音とは、床や壁など固体が振動して伝わる音のことで、軽量床衝撃音(LL)と重量床衝撃音(LH)があります。固体音は、固体伝播音ともいい、人の声など空気が振動して伝わる音とは区別したものです。
固定伝播音は、遠くで発生してもすぐ近くで発生しているように聞こえる音のことで、鉄筋コンクリート造のマンションなどで、よく騒音トラブルになったりします。その固体音を防ぐために、カーペットやゴム、布地で吸収緩和して遮音効果を上げます。
そこで、固体音L値は、数値が小さいほど遮音効果が高いことを意味しています。なお日本建築学会では、マンションなどにおいてLL-45を望ましい水準として推奨しています。日本工業規格では、サッシやドアからの空気音の伝わりにくさをT-1からT-4の等級で表します。こちらは数字が大きい方ほど遮音性能が優れていることを意味しています。