紙クロスとは、紙を主原料した壁紙のことをいいます。
紙クロスには、パルプや和紙、再生紙など様々な種類の紙が原料として使用されます。また壁紙を張ってから塗装で仕上げるタイプもあります。この方法は、壁紙を張り替えずに模様替えができるというメリットがありますが、施工に手間はかかるということがあります。なお、壁紙とは、主に石膏ボードなどの下地を隠すために貼る装飾用の紙のことをいいます。クロスともいわれ、壁紙の素材には、紙、布、ビニール、無機質などがあります。
紙系のクロスは、和紙を壁貼り用に加工したものを使います。ただし壁紙には防火性に乏しいという欠点があります。その他、布系クロスや無機質系クロスがあり、無機質系クロスは、ガラス繊維や金属などを主材料に裏打ちし、表面化粧したもので不燃性があります。
一般的に広く使われている壁紙は、ビニール系クロスです。ほかの壁紙に比べて施工が簡単で、比較的価格の安く入手できることから、張替も容易であり、多くのマンションや住宅において普及しています。ビニールクロスの利点は、色柄やデザインが豊富であること、水拭きて手入れが簡単なことです。
なお、欠点は、通気性、吸水性に劣ることで、使用環境によっては、カビの発生や汚れが目立つようになります。
また、ビニールクロスは、健康被害を与える化学物質を含む建材でもあり、有害物質を発するなど環境汚染の問題が指摘されてからは、塩化ビニールの使用量を減らした製品が増えています。そこで、自然素材である紙クロスが、近年見直されるようになっています。