役物とは、特定の位置に限定して使う瓦やタイルなどの建築材料のことをいいます。
役物として使う屋根瓦には、棟の端部に使う鬼瓦、軒先に使う軒瓦などがあります。またタイルでは、隅などに使うため、角を面取りして加工したものなどがあります。
瓦では、平瓦と丸瓦を交互に使った伝統的な本瓦葺き、桟瓦を使った桟瓦葺きなど、日本の家屋の屋根に多く見られますが、スタイルや産地などにより千種類以上あるといわれています。最近では、スレートやセメントで作られた瓦もあり、役物でつくられる瓦も多くあります。
またタイルには、主に壁や床の仕上げ材として使用される内装用、外装用、床用、モザイク用などがあります。吸水率が高い順に、たたくと金属音がする素地が堅く締まった磁器質タイル、磁器に次ぐ堅さのせっ器質タイル、半磁器質、有色でたたくと濁音がする陶器質があります。さらにタイルは、正方形や二丁掛けなど大きさによって呼ばれ型が異なることもあります。