庇とは、玄関ポーチ、窓、バルコニー、テラスなどの上部に突き出すように付けられた片流れの屋根状の覆いのことをいいます。
庇は、日光を防いだり、雨覆いの役目を果たしています。庇には、窓の上に付けた雪除け庇や、柱などから腕木を持ち出して庇桁をかけ渡した腕木庇などがあります。
庇には種類があり、窓の上部などに15〜30センチメートル程度の板を打ち付けた「霧除け庇(眉庇)」、柱や梁から持ち出した横木の先端で交差する桁に掛けられた「腕木庇」などがあります。さらにポーチや濡れ縁の上部に設けて片側を柱で支える軒の深いタイプの「捨て庇(または土庇)」があります。
なお、伝統的な住宅では庇を設けないことがあります。たとえば、雨量の多い高知地方では、下向きに広がる南京下見張りのような鎧状の壁をつくり、水切りを良くします。
これは、土壁の仕上げ方法の一つで鎧壁仕上げと呼ばれているものです。