コンクリートスラブとは、鉄筋コンクリート造の建物床の荷重を支える構造床のことをさしていいます。
スラブとは、床の荷重を支える構造床の床版のことで、平板や石板のことをいうこともあります。鉄筋コンクリート造では、大梁や小梁と一体化してつくられる構造物のこをいいます。コンクリート構造の床はコンクリートスラブといわれ、床として用いられるときは床スラブといいます。床には碁盤目状に並べられた鉄筋が配筋されています。また鉄筋コンクリート造の床スラブは、梁といっしょにつくられます。
スラブは、基礎や柱などと同じく、建物の耐久性や強度に直接影響するために、継手位置や定着状態、かぶり厚さなどについて、コンクリート打設前に検査されています。マンションなどの床スラブは、建築基準法における構造耐力上、必要な厚さがなければなりませんが、マンションなどの床では、下階への騒音などの問題があります。そこで、床スラブの厚さは、構造耐力で決めるよりも、マンションの騒音対策として床スラブの厚さを決めることが多くあります。
具体的には、構造耐力上の床スラブ厚さは、8センチメートル以上と定められていますが、実際、床は厚いほど遮音性があり、標準でも20センチメートル以上で確保されるようになっています。最近では、通常、天井から出っ張っている梁を逆にして、床から立ち上げるようにした逆梁工法というものがあります。
ラーメン構造の建物は、柱と梁でできた構造です。そこで、コンクリート床スラブは、柱と柱を結ぶ梁の上に載せているため、室内には、天井から梁が出っ張ることになります。この構造では、梁部分が出っ張っているために、梁の下までしか窓の開口を取ることができず、家具等の配置においてもすっきりしないことがあります。
しかし、逆梁工法では、梁の上にコンクリート床スラブが載るのではなく、梁の下側にコンクリート床スラブが設置されることになります。梁がスラブを吊り下げている状態になり、天井はフラットになります。
また、逆梁工法では、梁が床スラブから突き出ることになりますが、この突き出た梁の上に床板を敷いて二重床とします。床下を収納スペースや配管スペースとして活用します。