原状回復特約とは、賃貸借契約中に、借主の原状回復義務が盛りこまれる特約の一つのことをいいます。
原状回復特約は、退去する際に、どの程度まで借主の負担で汚れや損傷を修繕するかについて定めたもので、通常の原状回復義務を超えて、当事者間の合意として損害賠償義務を負うことを規定している場合が多くあります。これは「損害賠償特約」といわれ、敷金返還トラブルの原因になりやすいものとされるため、国土交通省のガイドラインでは、特約に関して「暴利的でない客観的、合理的な理由があること」などを定めています。
契約が有効と認められるものは、次の3つの要件が必要とされています。
特約の必要性があり、暴利的でない客観的・合理的な理由があること
賃借人が特約によって原状回復義務を超えた義務を負うことを認識していること
賃借人が特約による義務負担の意思表明をしていることです。