住まい・住宅関連の用語集

　時価とは、その時々に市場で成立している市場価格のことをいいます。
　時価とは、いつでもその価格で売買ができるとされる価格で、公正な価格とされています。不動産の場合、個別性が高く、市場価格が成立しないため、「時価」の明確な定義はありません。市場価格が得られない場合には、合理的に算出された価格のことをいいます。
　なお、税金の計算においては、「時価」をもとに課税することが原則で、不動産取得税や登録免許税、相続税などの場合は固定資産税評価額となります。また譲渡所得税の場合は、実際の市場の「正常価格」と解釈されています。
　ただし正常価格は、必ずしも実勢相場とは一致しません。そこで、不動産鑑定士などが公示地価を参考に適正と判断した価格となります。
　公示価格とは、正常な価格として国土交通省が公示した「標準地」の価格のことをいいます。全国で3万数千地点「標準地」を選定して、毎年1月1日時点の地価を不動産鑑定士等が評価します。そして、土地鑑定委員会が判定して毎年3月下旬に公示されたものです。
　公示地価は、住宅地、商業地、工業地など用途ごとに、標準地の1平方メートル当たり単価が表示されています。公示地価は一般の土地取引の指標となり、公共用地取得価格の算定基準ともなります。また、同じ土地で毎年地価が公示されるので、地価の上昇や下落の状況もわかります。
　マンションの購入など不動産取引の際に直接的に関係するのは実勢価格である時価ですが、そのほかの地価は、相続税や固定資産税などの税金の額を決めるときの基準となるものです。
　なお、公示価格は、1つの土地に4つの異なる価格である一物四価と呼ばれる時価(実勢価格)、公示地価(公示価格)、相続税評価額(路線価)、固定資産税評価額のうちの一つとされています。