ウォールキャビネットとは、壁や天井から取り付けた吊り戸棚のことをいいます。
ウォールキャビネットは、キッチンや洗面所の上部収納として用いられています。
リビングなどの壁全面に取り付けられるオープンタイプの飾り棚のことについてもウォールキャビネットと呼ぶことがあります。ウォールキャビネットは、計画的に配置することで、空間を有効に使うことができます。
たとえば、キッチンの作業台を壁に沿って設けるウォール型キッチンでは、壁面に接しているために、カウンターの上下にキャビネットを設けることができ、収納を多くとることができます。
ウォール型キッチンは、外壁側に接しているため、窓をつけることもでき、また直接的な排気が容易で、換気や通風、採光計画において苦労しません。
ただし、このキッチン配置では、ダイニングやリビングには背を向けることになり、家族とのコミュニケーションがとりにくい形となります。
そこで、オープンキッチンやセミオープンにすることで解決することもできます。
なおオープンキッチンとは、壁やカウンターなどの間仕切りがなく、ダイニング・リビングと空間的に一体になったキッチンのことで、気軽にキッチンに立ち入って作業などを手伝えることができるコミュニケーションが可能なキッチンをいいます。キッチンは、壁付けの場合と対面式の場合があります。LDKに大きな面積を割けないときでも、広々とした空間がつくれることにメリットがあります。
ただし、キッチンを散らかしていると目に付きやすく、壁面が少ない分キャビネットがつくりにくくなっています。壁付けの場合は、リビングにいる家族に背を向けて作業することになりますが、カウンターがフラットになった対面式の場合は、家族の顔が見えて孤立感がないため、人気のスタイルになっています。部屋が広く見えて開放的、家族のコミュニケーションがとりやすいなどのメリットがありますが、キッチンの様子が丸見えになり、臭いや音が伝わるというデメリットもあります。