新耐震設計基準とは、建築物の地震に対する安全性の確保を目的として1981年に制定された法律のことをいいます。
この法律は、1978年の茨城県沖地震による建物被害を機に見直されたものです。また、この法改正が行なわれたことにより、建築時において適法であった建物は、既存不適格建築物として扱われるようになっています。これらの建物を建築したときは、当時の建築基準法および法令に適法しています。
しかし、法律が改正されたために、現行の法令に適合しなくなってしまっています。既存不適格建築物は、このように違法建築物ではありませんが、現行では、適合していない建物として扱われています。日本は地震国ですから、安全な建物を求めるために、法律施行後、数回にわったて建築基準法が改正されてきました。そこで、その都度、改正される規定によって既存不適格建築物になる建築物が増えています。このように改正が行われるたびに、既存不適格建築物の数が多くなりますが、既存不適格建築物は、違法建築ではないので、すぐに建て換えたりする必要はありません。
ただし、新耐震設計基準以前の既存不適格建築物では、地震に備えて早急に耐震改修を実施する必要があります。また、増改築や再建築する場合には、現行の基準に適合させなくてはなりません。