住まい・住宅関連の用語集

　仕口ダンパーとは、木造軸組工法の一戸建て住宅用に開発された制震金物のことをいいます。
　仕口ダンパーとは、柱と張りの仕口に取り付けることで、地震の揺れに合わせて変形し、地震エネルギーをしなやかに吸収します。仕口ダンパーは、建物の変形を小さくすることで、地震による被害を最小限に抑える仕組みとなっています。
　なお、仕口とは、2つ以上の部材をL字型など別方向に継ぐ方法、またはその接合部のことをいいます。また、同一方向に繋ぐ場合には、継手といいます。仕口と継手は、日本建築において使われてきた伝統的な手法です。
　木造在来工法は、柱や梁、土台などを木材で組み立てる工法です。この工法は、壁や床で構成される北米などで主流のツーバイフォー工法、木造枠組壁工法の面によって支える工法とは異なり、面に対する柱と梁などによる線の構成からなります。木造在来工法では、結合部を継ぎ手や仕口という、木材を削って組み合わせます。しかし、柱と梁の結合部などは、地震の影響を大きく受けます。そこで、法令改正によって、建築基準法や施行令、告示により個々に適した金具を使用しなくてはならないとされています。小規模の木造住宅でも構造計算による確認や特殊な形の金物の使用による建物の強度や耐震性能も向上が必要になっています。
　現在は、工場であらかじめ加工するプレカットや、仕口を必要とないツーバイフォー工法などの普及により、伝統的な仕口手法を使うことは少なくなっています。最近では、工場で生産するプレカットされた部材が使われ、建築現場で仕口部分を金物で補強することが多くなっています。