甲種防火戸とは、建物の区画などに使う防火戸の一種のことをいいます。
甲種防火戸は、乙種防火戸よりも高い防火性能を持つもので、1戸建ての住宅ではあまり使われないものです。1時間の遮炎が要求されるもので、鉄の骨組と、両面に0.5ミリ以上の鉄板が貼られた扉を用いたものをいいます。
なお、防火戸とは、火災の延焼を防止するために用いる建具のことをいいます。防火戸は、防火設備と特定防火設備の2種類があります。防火戸では、耐火建築物・準耐火建築物の外部開口部や、防火地域、準防火地域において設置することを法令によって義務づけられています。
防火戸は、平成12年の建築基準法改正前は、防火設備は乙種防火戸、特定防火設備のことを甲種防火戸と呼んでいたものです。また、延焼の恐れのある部分とは、道路中心線または隣地境界線から一定範囲のことをいいます。
延焼の恐れのある部分は、2階以上の階で5メートル以内、1階では3メートル以内の範囲の部分をいいます。延焼のおそれのある範囲内にある窓や出入口には、防火戸を設置しなければならないとされています。
火災の拡大を防ぐために、都市計画区域外でも屋根不燃区域では、屋根や外壁の材質などについて制限しなくてはなりません。そこで、屋根不燃区域や法22条区域に指定される地域の建物では、屋根や外壁で延焼のおそれのある部分について、規定された基準を満たさなくてはならないということになっています。たとえば、木造住宅については、軒下や屋根、外壁について政令や省令に詳しく規定されています。スレート葺やサイディングなど、使用できる建材についても規定しています。