古色(こしょく)とは、日光や風雨にさらされて、色あせ、古びた色合いになった様子のことをいいます。
古色は、部材を長い年月にわたって色あせたものや、火をつかって焦がしたりした部材などのことをいいます。後者の場合、紅柄や柿渋などを使って変色させたものをいい、中でも柿渋は、漆のように日本古来の伝統的な塗料で、建物では、天井板などの塗装として使われてきました。色は茶色系で、柿渋特有のにおいがあります。また、柿渋は、ベンガラなどの顔料を混ぜて使われることで、効果があるとされています。
最近では、シックハウス症候群の対策から、柿渋が天然素材として見直されるようになり、染料や建築建材の塗料として注目を集めるようになっています。
なお、シックハウス症候群とは、新築などの建材に使用する化学物質により、健康不良を起こすことをいいます。建材に含まれる揮発性有機化合物などが原因で起こった一連の症状より患者が急増し、社会問題ともなったものです。最近の住宅は気密性が高くなっていますが、それに伴って建材から出る化学物質が室内に滞留し、めまい、吐き気、頭痛、湿疹や呼吸器疾患などの症状を引き起こしています。原因となる化学物質は、建材や家具に使用される接着剤や塗料に含まれる有機溶剤、木材の防腐剤、殺虫剤などで、これらにはトルエンやキシレン、揮発性有機化合物(VOC)が含まれています。
シックハウス症候群は、これらのホルムアルデヒドやクロルピリホスなどと呼ばれる物質により引き起こされるもので、新築以外のリフォームなどでも引き起されます。そこで、建築基準法の改正により、換気設備設置の義務化や仕様できる建材について規制が行われ、シックハウス対策が具体化されています。