火除瓦とは、平瓦だけで屋根を葺く方法のことをいいます。
かつて、瓦葺きは、武家の威厳を保つために、町人の住まいで用いることを禁止していました。しかし、頻繁に大火が起こるため、防火として規制を解き、商家で使われたものを火除瓦と呼ぶようになったものをいいます。
なお、瓦とは、主に屋根に葺くために使う建材のことをいいます。瓦は、上代、中国から伝えられた建材で、日本では、古くから寺院などに使われていることから日本の伝統的な文化ともなっています。平瓦と丸瓦を交互に使った伝統的な本瓦葺き、桟瓦を使った桟瓦葺きは、日本の家屋の屋根に多く見られるものです。
瓦は、陶器製で、スタイルや産地などにより千種類以上あるといわれています。最近では、スレートやセメントで作られた瓦もあります。
瓦は、台風などの風雨に対して、効果がありますが、重量があるため、木造住宅などでは構造的に負荷が高くなるという心配もあります。最近発生する地震による被害では、瓦葺屋根の建物の倒壊がよく見られます。そのため、近年、築年数が経つ瓦葺屋根の木造住宅の耐震化がすすめられています。