母屋とは、小屋組の垂木や野地板などを支えるために、棟木や軒桁と平行に架け渡される部材のことをいいます。
母屋は、屋根の荷重を支える水平部材の一つのことで、用いられる部材は、約90ミリ角の杉が多く、母屋桁とも呼ばれています。この荷重は、桁方向において、棟木、母屋、軒桁へ分散します。また、梁方向では、棟木と母屋から小屋束へ伝達し、そして小屋束から小屋梁へ伝える構造となっています。
切妻屋根や入母屋屋根の妻側に突出させた母屋には、鼻母屋があり、意匠によっては丸材、部材自体を化粧材したり、破風板で隠します。
また、漆喰やモルタルを塗るなどの処理方法もあります。
なお、小屋組には、屋根の架構のことで、和小屋には、折置組(おりおきぐみ)と京呂組(きょうろくみ)があります。折置組は、柱の上に小屋梁を乗せたもので、京呂組は、柱の上に軒桁を置いて小屋梁を乗せたものをいいます。そこで、小屋梁の上に小屋束という垂直材を立て、さらにその上に、母屋を渡して屋根からの荷重を支える構造となっています。
なお、母屋という場合、付属の建物に対して主屋と呼ぶことがあります。